みなさんこんにちは。小澤です。
早速ですが、みなさんは農業に興味はありますか!?
私たちが生きていく上で必要不可欠な穀物や野菜といった食物を育てる農業は、土を耕し、水を活用し、植物という自然の恵みを、気候や天候といった不確実な環境のなかで育むという、
高度な知識と技術と経験が求められます。なので、農業と聞くと大変そう、きつい、肉体労働、等々…そんなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
そんな農業分野に、いまICTやロボット、AIなどを活用した次世代型の農業、
「スマート農業(スマートアグリ)」が登場し、注目を集めています。

スマート農業(スマートアグリ)とは

「スマート農業」とは、農林水産省で「ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業」と定義しています。
海外では、
・スマートアグリカルチャー(Smart Agriculture)
・スマートアグリ(Smart Agri)
・アグテック(AgTech)
・アグリテック(AgriTech)
などとも呼ばれており、日本よりも一足先にさまざまな国で導入されています。

農業大国アメリカでは広い農地をドローンで掌握


アメリカの代表的なスマート農業として挙げられるのはドローン。
ドローンは、適切な範囲に適切な量の農薬を散布するほか、上空から農作物の生育状況や土壌の状態など、さまざまなデータを収集し、農地の状況を分析することに使用されています。これは、広大な農地を有するアメリカならではのテクノロジーですね!
センサー技術の向上によって、害虫や病気の自動検出も可能で、可視光や近赤外線で反射する光の波長を感知して、作物の生育状況や栄養状態、土壌の水分状況などを分析しています。

オランダは自動制御技術により世界第2位の農業大国に!


オランダの国土面積は、約4万1,000平方kmで、日本に置き換えると九州とほぼ同じ広さです。
農地面積も約450万ヘクタールの日本に比べて、オランダのそれは約184万ヘクタールと規模は小さく、さらに痩せた土地も多く、冬の日照時間が少ないなど地理的な要素もからんで、農業に適した国土とは必ずしもいえませんでした。
しかし、今日のオランダの農産物の輸出額は909億ドル。これはアメリカに次ぐ世界第2位を誇っています。その起爆剤となったのが、最新鋭のICT技術を用いたスマート農業。
オランダでは、約8割にものぼる一般農家で、自動制御システムを搭載したコンピューターにより農作物に与える肥料や給水などを制御しています。
同国北部には、温度や湿度、二酸化炭素濃度などをセンサーによって管理する「アグリポートA7」と呼ばれる巨大なビニールハウスがあり、このハウスで行われているのは、徹底した環境保持。
センサーで吸い上げられたデータが別の場所にあるオフィスへと送られ、24時間体制で作物にとって適切な環境を保っており、天候に関わりなく通年で作物を育てることができ、さらには害虫や病気とは無縁であり、農薬を使うこともないそうです。

日本の例(1)〜農業用ドローンで圃場の生育&病害虫を分析


国内で特に話題に上るのがっているのが、農業用ドローン。
圃場情報の収集や種子・農薬の散布などに活用されており、従来使われてきたヘリコプターに比べて、GセンサーとGPSによるホバリングの安定感の高さと操縦の簡単さも手伝って、各社から農業用ドローンが登場しました。この農業用ドローンは、小回りも利き、操縦性・安定性ともに優れているそうです。
それだけでなく、本体に搭載したカメラを用いて、空撮で生育状況を把握でき、農耕面積が広くてもピンポイントで農薬を投入できるなど、大規模農場から個人の農場まで、今後必須のシステムとなっていくとされています。

日本の例(2)〜自動走行トラクターにより人員削減


北海道のような広大な農地を持つ地域では、無人で、しかも複数台が協調して畑を耕す「協調型ロボットトラクター」が開発されています。
トラクターなどが開発されており、自動走行や夜間作業、ひとりの運転者で複数台同時走行といったかたちで、大規模化・低コスト生産が実現されています。
タブレットにインストールされたアプリケーションのスタートボタンを押すと、トラクターが作業を開始します。トラクターはGPSの受信機を備えており、衛星と通信しながら5cm以内の精度で作業を実施が可能となっています。
もちろん、自動ではなくオペレーターが乗り込んで操作することも可能だそうで、現在のところ、周囲のトラクターにぶつからないように旋回するのが難しく、時間のロスが発生してしまうことから、
これを解決する場合は、現時点では、まだオペレーターの存在が必要とのことです。

スマート農業のメリット・デメリット

◆メリット◆
・省力化による圃場の拡大・収量アップ
・肉体への負担の軽減
・農業ノウハウのデータ化&活用
・持続可能な社会を実現するための有機栽培・減農薬栽培の推進
◆デメリット◆
・イニシャルコストが割高
・個々の機器のデータ形式のバラツキ
・スマート農業実施者の不足と育成
・農家への新たな作業負担

最後に・・・


日本における農業従事者は高齢化の一途を辿っています。
高齢農家の離農により畑の土地が増えたり、後継者不足で担い手がいない、なんてことも多くなってくると思いますが、それらの問題を解決するための方法のひとつが「スマート農業」なのです。
耕作放棄地になった土地も、スマート農業で、収量を増やせる可能性は大いにあるということです!
そして、労働力不足や高齢化、技術の継承といった現在直面している課題も、スマート農業の活用とさらなる発展をもって実現可能になるかもしれません。
まだまだ課題はありそうでが、スマート農業は、日本の未来の農業が今よりもずっと活性化することに期待したいですね!!

[執筆:SPD小澤]
[最終更新日:2021/6/25]